ルンバ980かダイソン360Eyeか?ロボット掃除機の買い替えは悩ましい

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家電の性能にシビアといわれる日本家庭にも、自動掃除機いわゆる「お掃除ロボット」の実用性が認知され、米国アイロボット社のルンバのヒットを皮切りに国産家電メーカーも次々と開発製品を投入、いまや爛熟期に至ってる感ありですが。

ルンバに押され気味の国産ブランドでは、パナソニックがユニークな三角ボディの RULO を発売して攻勢をかけつつあるところ。しかしここへ来て、サイクロン掃除機の雄というべき英国ダイソン社が、強力な吸引力を武器にした初のロボット掃除機、dyson 360 Eye を日本市場に投入してきました。

すれば負けじとアイロボットも、従来コンセプトをガラリと変えた新設計のトップモデル、ルンバ980を発売。と、ブランド百花繚乱状態の自動掃除機市場に大きな動きが生じてます。

さて私事恐縮ですが、今日もわが家でセッセとお掃除に勤しんでおりますルンバ770は11年製。導入してはや5年が経過し、新製品と比較すると随所に機能の見劣りが感じられるようになりました。おまけに最近はバッテリーのへたりが如実で、そろそろ交換時期の様子。この際、買い替えの目もあるかと、最新ハイエンド機である Roomba 980 と dyson 360 Eye のコスパ・実用性を比較考察することに。

コンセプトががらりと変わった ルンバ 980

ルンバ770と永らく付き合って来たことから、その良さも弱点も把握できているつもりでして、先にルンバ 880 が登場した時も「吸引機構の採用と髪の毛の絡まないブラシ搭載はナイス!」みたいな内容の 記事をエントリーしました。

国産ブランドのロボット掃除機がこぞって付加価値で勝負する傾向の中、掃除基本性能の向上に注力するアイロボットの姿勢は良しと感じてまして、同じところをしつこく何度も通過すると言うベタな走行パターンが維持されたことにも拍手を送ったのであります。

ところが今回の ルンバ 980 では、吸引力のアップとともにカメラと新センサーを搭載。1回通りすぎるだけで完璧に掃除する走行パターンにコンセプトが変更されたとのこと。これ、後発他社の自動掃除機システムの機能を認めて追随したってことですよね。なんだかちょっと残念な感じもします。





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▲ルンバ980にも「髪の毛の絡まないブラシ」が採用

床形状をマッピングして効率的に掃除しないと、掃除の時間もかかりすぎるし、広い床面積の家のニーズに対応できない、というのが改良の理由みたいで、最大112畳にまで(従来機は25畳)対応できるようになったのですが、いかんせんウチの家はそんなに広くない。健気にしつこく場当たりお掃除してくれるほうがうれしいのにと。

ただ、レビュー記事を拾ってみると、ルンバ 980 は相当賢くなっていて、時短しつつも必要のある場所を的確に判断して、それなりにしつこく掃除してくれる模様です。このあたりは実際付き合ってみれば、そのかしこさと凄さを実感でて感動するんでしょうけどね。

カメラ・センサーとSLAMの搭載で掃除がスピーディになったほか、カーペットではブーストがかかり吸引パワーが10倍にアップ、電池切れ時は自動充電して再運転、賢いので複数の部屋でもお部屋ナビは不要、スマホで操作の指示や掃除履歴の確認などができる、などなど機能はかなり進化・充実してます。

しかし ルンバ980は iRobotの新フラッグシップモデルだけに、お値段も相当ハイエンド。実勢価格が税別120000円前後からとは...大邸宅にお住まいの方には非常に魅力的な製品なんでしょうけどねえ。
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ウサギ小屋&超ちらかり床環境である、わが家のお掃除コスパにかなうかどうかはちょっと置いといて、お次は強面サイクロンブランド、ダイソン初のロボット掃除機 dyson 360 Eye を見てみましょうか。

ダイソン初のロボット掃除機 dyson 360 Eye

ロボット掃除機にダイソンお得意のダイソン デジタルモーター V2とサイクロンシステムを搭載し、他ブランドのおよそ4倍と言う圧倒的な吸引力でサイドブラシなしでもガンガン掃除すると言う強面クンが、ダイソン初のロボット掃除機 dyson 360 Eye であります。

その未来的なデザインも含め、まさにダイソンらしい、わかりやすいコンセプトのお掃除ロボットなのですが、実はこのモデル、当初15年春に日本発売予定とされてたのが10月に延期されたんですね。

その理由は、日本市場で調査をしたところ、運転音の大きさや充電にかかる時間の長さに問題があるという結果が得られたので、それらの問題を改善し製品に反映させてから発売したのだそうです。

これは賢明。広い欧米家庭ではさほど気にならない運転音も、デリケートな日本のお茶の間では重要な選択肢になりますからね。特にダイソンの掃除機は五月蝿いというイメージが摺り込まれてますし、延期により騒音が多少なりとも改善されたのなら吉です。



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▲360Eyeのブラシは本体の幅いっぱいまである

360 Eye のネーミングの通り、360°カメラで周囲の室内環境を把握してマッピング、効率よく室内を掃除する走行システムが採用されてます。基本、四角を描くように動いて掃除します。サイドブラシはホコリをかき立てるのでないほうがベスト。ならばパワーで吸っちゃえという結論のよう。

ボディサイズが 23×24.2×12cm と小径やや背高の形状になってるのが新鮮です。本体いっぱいの幅のモーター付きブラシを採用することで、ボディが小さくても効率よく掃除できるというアイデアはナイス。ルンバの直径は35cm程度ありますが、ダイソンの23cmだと充電スペースが少なくてすみそうです。

ダイソン 360 Eye は約2.5時間の充電で約45分駆動し、掃除のし残し分は自動充電してから再開する仕様で、スマホ操作にも対応しているなど、機能はルンバ980と似てますね。

さて気になるお値段ですが、ダイソン 360 Eye にはニッケル/ブルー、ニッケル/フューシャの2色カラバリがあり、実勢価格は各色とも税別138000円前後からに。やっぱりというか、お値段も強面ですなあ。
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ダイソン製品の広告といえば、他社同種製品との性能比較デモ手法がお馴染み。拝見すると確かに吸い残しは少なく見えますが、家庭によって床環境はさまざまですから、はたして一度だけの通過で完璧にキレイになるかどうか。サイドブラシなしでの隅っこホコリの首尾もちょっと不安ですね。

わが家の買い替えはルンバ980か?ダイソン360Eyeか?

ざっと、ルンバ980 と ダイソン360Eye の特長を見てきましたが、さすがに自動掃除機の次世代ハイエンドモデルとあって高い機能性と実用性は十分魅力あり。ここに国産ホープのパナソニック ルーロ を交え、ひとつ三つ巴で悩んでみましょうか。

まず、ダイソン製品。強力なサイクロン吸引性能でゴミやホコリを一網打尽、掃除にかかる時間が20分程度に短くなるのはいいですね。しかしウチでの問題点は12cmというボディの高さ。現在駆動中のルンバがギリギリ侵入できる家具下スペースが結構あり、そこに ダイソン360Eye は入ることができません。

もうひとつは静電気除去ファイバーブラシとナイロンブラシが波形に組合わさったブラシの形状です。旧世代ルンバでブラシの髪の毛の絡まりメンテに難儀して来たのですが、360Eye の固そうなナイロンブラシ部分にも絡まりそうでやや不安になります。

その点、ルンバ980のブラシはメンテフリーで良さそう。が、ルンバ980 は狭いわが家の住環境にはあまりにもオーバースペックなんですね。現状でもナビなし機種で一度に複数の部屋の掃除ができてますし、付属リモコンは使ったことがないくらい。ましてやスマホ操作の必要はありません。いらない機能が結構あるんです。

パナソニック ルーロは、三角形状のボディのため円形のルンバよりずいぶんコンパクトに感じられるのが好感です。さらにルーローの三角形+左右両側のサイドブラシは、部屋の隅のゴミの取り残しも少なそうで、そのあたりの細やかな設計思想は日本製家電の面目躍如というところか。家電としてのデザインも優雅で美しいですね。
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RULOなら価格も実勢65000円前後と買いやすいのですが、反面、国産家電特有の華奢な感じと無駄な付加機能があって、掃除の実用性という面では質実剛健コンセプトの輸入家電に軍配があがると。これはいままでルンバを使ってきて持った印象です。

まあぶっちゃけ、ルンバ980 と ダイソン360Eye は10数万円と言う高嶺の花。どちらのモデルにしたところで、わが家には価格自体が相当なオーバースペックですわ。

壁を垂直に登って拭き掃除したり、細い桟のホコリが取れたり、階段を自動走行できるまで進化したのならともかく、わが家の実情を鑑みるにこれらの新ハイエンドモデルはいずれも費用対効果にかないません。したがって拙家における結論は、価格落ちを期待しつつ前機種の ルンバ800シリーズ に買い替えるか、現ルンバ770 に高容量の新型 純正XLifeバッテリー を購うかの二択というところ。

もちろん、広〜い床面積があって家計にも余裕のあるご家庭なら、ルンバ980 や ダイソン360Eye のほうが実用的だと言えますし、費用対効果もマッチするでしょうから、フラッグシップ機の購入をおすすめしときますけど。

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洋物の輸入家電製品は、新モデル更新までのスパンが数年と長いのが普通で、日本家電のようにちまちまモデルチェンジされなかったもんですが、なんだか風向きが変わってきましたね。頑張って高価なモデルを購入しても、即、新製品登場でクソー!というストレスがなくて良かったのになあ。

今回は新型ロボット掃除機の比較・考察でした。ではこんなところで。

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